2013. 03. 12  
別れる力


別れは終わりではなく、始まりである

二十歳の時、十六歳の弟を喪くした。
三十五歳の時、愛する妻を喪くした。
理不尽な別れに神を呪ったこともある。
酒に溺れ、無気力な日々を過ごした。
だが、いまならわかる。
出逢えば別れは必ずやってくる。
それでも出逢ったことが生きてきた証しであるならば
別れることも生きた証しなのだろう、と。
   
                       (本の帯より) 





伊集院 静氏のエッセイ、『大人の流儀』の3作目です
昨年の12月に刊行され、メディアでも紹介された、ベストセラーです

40歳を過ぎた頃から、親戚、友人、知人を見送ることが多くなりました
その度、慌てふためき、へこみました

これから先、このような機会は増えていく
体力、気力が衰えていく中で、別れを迎えなくてはならない
心構えをしなくては、と思い、手に取った1冊でしたが・・・

間違っていました

事前に備えること、覚悟をすることは、確かに大切ですが、
どんなに想像を巡らせても、今は、分からない

別れを経験し、打ちのめされ、時間に癒され、再び歩き出す
その過程を経て初めて、別れる力なるものを引き寄せられるのだろう

そんなことが、やっとわかった次第です





スポンサーサイト
2012. 04. 13  
高村薫
   朝日文庫


作家 高村 薫による時事論評集第2弾
『AERA』2009年8月3日号~2011年4月25日号に掲載されたものを改題、とあります。

高村薫さんは大好きな作家ですが、昨年末にこの本が刊行されていたことを知らず、すぐさまアマゾンに注文しました。

2009年から始まった雑記帳は、始まったばかりの裁判員裁判や、政権交代した民主党への違和感等からスタートし、大きな出来事だけでも挙げると、普天間基地問題、異常気象、尖閣諸島沖での漁船衝突事故とその後の政府の対応、軍事国家の台頭、東日本大震災、福島第一原発事故などについて書かれています。

小説では、細部にこだわり徹底的にリアルな描写をされ、何度も読み返さないと分からなかったり、読み返しても分からないことだらけなのですが、それでも知りたいと渇望させてくれる作家さんです。

この雑記帳を読むと、政治・経済・時事問題等に疎くても、震災以降、TVのニュースや新聞でも釈然としなかったことが、ああ、そういうことだったか、とおぼろげに見えてくるものがあります。見えたからといって充実感とはほど遠く、呆然とするばかりですが・・・
 
政治の混迷ひとつにしても、嘆いたところでどうしようもない。
『国家の無能はそのまま、国民の無能でもある』というタイトルの本文を読むと、私たち(と言っては語弊があるかもしれませんが)は、どこで何を間違ってきたのだろう?という問いを突きつけられます。

高村薫さんご自身も、阪神大震災を経験しておられます。
東日本大震災後に書かれた、『私たちは、喪失の悲しみとともに生きてゆく』から、引用します。


道路や建物の再建はできるが、震災を生き延びた人びとにとって、膨大な死をしみこませた土地は、なにかしら沈痛を誘う土地であり続ける。そんな被災地に賑々しい復興再開発の絵図を描くことは、むしろしてはならないのであって、二万人以上の死者・不明者を出す前とあとでは、人間の生き方が変わらなければおかしいのだ。
                   
            (中略)

家族を死なせた人も、全財産を失った人も、被災しなかった人も、それぞれに頭を低く垂れて、喪失の悲しみとともに生きてゆくだけである。犀の角のように歩んでゆこう。



2012. 03. 11  
sinnya1

大好きなブログ、『あひる課長食堂』のあひる課長さんが、以前紹介されていた「深夜食堂」
読みたくなり、ネットオフに注文していたのが届きました。
ネットオフは、お気に入りブログ、『小説書評・・けいたの小説日記』のけいたさんに教えていただきました。

『深夜食堂』(しんやしょくどう)は、安倍夜郎による日本の漫画作品。2006年10月に小学館発行の漫画雑誌『ビッグコミックオリジナル増刊』に読切一挙3話掲載で初登場。それ以降、1回に2話掲載、出張宣伝漫画などを経て、2007年8月からは『ビッグコミックオリジナル』で連載されている。

2009年10月から、毎日放送(MBSテレビ)・TBS系列で小林薫主演でテレビドラマ化され、2011年10月から続編が放送された。

第2回マンガ大賞2009第4位。2010年、第55回(平成21年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞。第39回日本漫画家協会賞大賞受賞。
  
(Wikipediaより)

営業時間は夜12時から朝7時ごろまで。人呼んで「深夜食堂」
メニューは、豚汁定食、ビール、酒、焼酎のみ
あとは勝手に注文してくれりゃあ、できるもんなら作るよ、
というのがお店の営業方針

リクエストでご主人が作るのは、赤いウィンナー、猫まんま、カレー、ナポリタン、ポテトサラダ等々
お客さんたちとの交流が、お話のメインなのですが・・・
しみじみとしていて、温かく、ホロリと泣けてしまう、そんなお話がたくさん詰まっています。

おばちゃん、涙もろくなりました。

テレビドラマ化されているということで、動画サイトで2話見ましたが、また泣けてきました。
原作を読んでから、映画化・ドラマ化されたものを観た時には大抵失望してきましたが、これはいいドラマだと思いました。

昭和そのものなのです。

主演の小林薫さんはじめ、渋い役者さん揃いで、DVDを探してじっくり見てみたいです。

8巻最後のお話は、震災直後、不安を抱えながらも自分に出来ることは何かを考える人々。


たまたま被災しなかった私は、非力な自分に何が出来るのかを、考え続けるしかありません。

sinnya2
2012. 03. 01  
yonaka


今日は朝から雨が降っているので、本の話を少し・・・

整理整頓がヘタなうえ、物を捨てられません。中でも、本というのはなかなか処分しづらいものがあります。それでも昨年末に思い切ってダンボール1箱分ほどをブック・オフに持って行ったのですが、まだありました。

奥付には、1981年11月20日 第3刷発行、とあります。
向田邦子さんのお書きになるものが好きで、よく読んでいましたが、もう30年以上も前になるんですか。

どこに惹かれて読んでいたんだろうと、パラパラめくっていると、有名なエッセイ「手袋をさがす」が収録されていました。

向田さん、22歳の冬のこと。気に入ったものがないという理由で、その一冬を手袋なしですごされたのですが、手袋の話に留まりません。ご自身のないものねだりの高望みな性格と、どう折り合いをつけていこうかと、悩まれたことが綴られています。

自己愛とうぬぼれの強さが欠点と知りつつ、お座なりの反省をしたところで自分の性格は変えられない。
上司やお父様の忠告に耳を傾けながらも、ご自分の欠点を精神の分母にしてやれと居直ることになさったのだそうです。

当時の私も若く、膨らんだ自意識や自己愛を持て余すお年頃でありました。そんな自分を重ね合わせて読んでいたことを思い出しました。

懐かしくなり他の本も探してみましたが、ありませんでした。ブック・オフに持って行ったんだ・・・
この本は黄ばんでいて売り物にはならないだろうからと、本棚に戻したのを忘れていました。

数十年経っても読み返したくなる本がある。
だから本の整理は、はかどりません。

yonaka2
迷惑そうな小次郎
雨があがるといいなぁ・・・
ようこそ!
Cats
Sweets
プロフィール

leean

Author:leean
柴犬の兄弟、武蔵と小次郎
猫の兄妹、さくたろうとねねの
日々の暮らしを綴ります

家族です!
武蔵と小次郎
武蔵と小次郎
平成15年9月11日生まれ さくたろうとねね
さくたろうとねね
平成17年5月1日生まれ
(ということにしました)
故ねね
ねね、平成25年12月26日他界
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
検索フォーム
QRコード
QR